静岡県立伊東高等学校 城ヶ崎分校 閉校

  • 文化・教育施設

かつて静岡県伊東市に存在した静岡県立伊東高等学校城ヶ崎分校は、1983年に「静岡県立伊東城ケ崎高等学校」としてその歴史をスタートさせました 。第二次ベビーブームによる生徒数の増加と、観光地として発展する伊豆高原地域の要請に応える形で、相模灘を一望できる風光明媚な丘の上に誕生した学び舎です 。

「不撓不屈」を校訓に掲げ、地域からは「城高(じょうこう)」の愛称で親しまれました 。特にアートコースの活動は目覚ましく、まんが甲子園での全国優勝など、数々のコンクールで輝かしい成績を収め、学校の名を全国に広めました 。その創造性は学内にとどまらず、生徒のアイデアから生まれた「全日本まくら投げ大会」が伊東温泉の新たな名物イベントとなるなど、地域の文化や観光にも大きな影響を与えました。また、特別支援学校との日常的な交流を通じて、共生の心を育む教育も実践されました 。

しかし、時代の流れとともに少子化が進み、2006年には「伊東高等学校城ヶ崎分校」へと改編されます 。その後も地域に根差した教育を続けましたが、県全体の高校再編計画のもと、2023年3月、多くの人に惜しまれながら40年の歴史に幕を下ろしました 。その魂は、統合によって新たに開校した「静岡県立伊豆伊東高等学校」に引き継がれ、城ヶ崎分校が誇ったアート教育の伝統は、新設校の「アート類型」として今も受け継がれています 。

長きにわたり、地域の若者たちの育成に尽力された学校関係者の皆様に、心より敬意を表します。相模灘を見渡す教室で過ごした日々や、仲間たちと情熱を注いだ文化祭、部活動の思い出は、卒業生の皆様や教鞭をとられた先生方にとって、いつまでも色褪せることのない、かけがえのない宝物として心に輝き続けていることでしょう。

(2025年6月改筆)

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