三角西港
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明治時代の築港当時の姿が完全な形で現存している唯一の港として知られる三角西港。明治政府の殖産興業の政策に基づいて、1887年に開港しました。
熊本県の建議に基づき政府から依頼されたオランダ人水理工師ローエンホルスト・ムルドル氏の調査により、天然の良港の各種条件を充足した宇土半島の先端に位置する三角の地が選定されます。1884年にその工事が着工。背後の山を削り海を埋め立てて当時の最先端土木技術を駆使して造られました。
重要な貿易港を得た当地は完成後、宇土・天草地方の行政・経済の中心として大きく繁栄しましたが、九州鉄道開通(1899年)により主要港としての役割を東港に譲りました。これが現在まで明治時代の築港当時の姿がそのまま残っている理由とされます。
国の重要文化財に指定されている三角西港。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。きっと壮大な歴史ロマンを感じ取ることができることでしょう。
(2023年3月執筆)
明治時代の三角の旅館「浦島屋」です。
まるで明治期にタイムスリップしたかのような美しい港です。
PHOTO:PIXTA
「小泉八雲」の日本名を持ったラフカディオ・ハーン。当地は「夏の日の夢」と題する紀行文の舞台とされます。
この機に一読されてはいかがでしょうか?