【肥薩線】海路駅 廃駅
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海路駅は、熊本県葦北郡芦北町に位置するJR肥薩線の駅で、1952年6月1日に日本国有鉄道によって開設されました。この駅は肥薩線の中では比較的若い駅であり、単式ホーム1面1線の地上駅として運用され、山の斜面を削って設置された簡素な構造が特徴的です。
1987年には国鉄分割民営化により九州旅客鉄道(JR九州)に継承されました。長きに渡り当地の重要交通拠点として活躍します。しかし、2020年7月の九州豪雨で肥薩線が被災し、八代から人吉間が不通となったことを契機に、利用者数が極めて少ない海路駅の廃止が検討されるようになりました。
2025年3月31日、熊本県とJR九州は肥薩線復旧計画の最終合意に達し、海路駅を含む3駅(瀬戸石駅・那良口駅)の廃止が決定しました。これらの駅は被災前から利用者数が1日あたり0~1人と極めて少なく、観光振興なども見込めないことから廃止がやむを得ないとの苦渋の判断であったようです。海路駅は近い将来廃止される予定ですが、その静かな佇まいと肥薩線の歴史を感じられる場所として訪問する価値があります。廃止前にぜひ現地を訪れ、この地域の鉄道史と風景を心に刻んでみてはいかがでしょうか。
(2025年4月執筆)
PHOTO:PIXTA