旧八景水谷貯水池ポンプ場
- 建物・施設
旧八景水谷貯水池ポンプ場(熊本市水道記念館)は、熊本市の近代水道の歴史を象徴する施設です。その起源は1909年の上水道建設計画にさかのぼり、1923年に工事が開始されました。そして、1924年11月、八景水谷を水源地、立田山を配水池とするシステムが完成し、熊本市内への給水が始まりました。
記念館の建物は、大正時代に建設された煉瓦造りのポンプ場で、平面は正方形、外観には窓周りの縁取りや寄棟屋根など美しい意匠が施されています。1974年の水道創設50周年を機に「水道記念館」として公開され、その後も補修を経て現在まで保存されています。1997年には登録有形文化財に指定され、当施設の歴史的・技術的価値は高く評価されています。
恒常的に開館はしていないようですが、イベント時などに内部の公開などもなされるとのことです。熊本市の発展を支えた旧八景水谷貯水池ポンプ場は、水道技術の歴史を学ぶ貴重な場です。八景水谷の自然とともにその魅力を体感するため、ぜひ現地を訪れてみてはいかがでしょうか。
(2025年3月執筆)
PHOTO:PIXTA