烏帽子坑跡
- 建物・施設
烏帽子坑跡(えぼしこうあと)は、熊本県天草市牛深町に位置する海底炭鉱の跡地です。この炭鉱は、明治期に天草炭業株式会社によって整備されました。
烏帽子坑は、下須島西岸から約200メートル沖にある岩礁に設置されており、海上に坑口があるという非常に珍しい構造を有します。
地元では「海軍炭鉱」とも呼ばれ、海軍艦船向けの良質の無煙炭を採掘していましたが、操業期間は明治期のわずかな間だけでした。その後、炭鉱は閉鎖されましたが、木製のレールやその他の設備の一部が今も海中に残存し、在りし日の営みを現在に伝承します。
烏帽子坑跡は、天草市指定遺跡とされています。坑の奥の西海岸に夕日沈む風景は美しく、「日本の夕陽百選」にも選定されるほどです。ご興味のある方は是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年1月執筆)
この地ならではの歴史ロマン溢れる光景です。
PHOTO:写真AC