御杖村立菅野小学校 閉校
- 文化・教育施設
奈良県宇陀郡御杖村、伊勢本街道の宿場町として栄えた菅野地区。ここに位置した御杖村立菅野小学校は、中世に北畠氏の支配下にあった菅野城の居館跡付近という歴史的な地に学び舎を構え、地域の子どもたちを育んできました。
本校は、地域の歴史遺産である古い道標を長らく校内で保管するなど、単なる教育機関にとどまらず、地域文化の保全にも深く関わってきました。しかし、過疎化に伴う児童数減少等の理由により、1998年3月をもってその歴史に幕を下ろしました。同年4月からは村内の神末小学校、御杖西小学校と統合し、新たに御杖村立御杖小学校として再編されています。
閉校後、その美しい平屋の木造校舎は取り壊されることなく、「みつえ体験交流館」として再生されました。特筆すべきは、全長101メートルにも及ぶ長い廊下です。この特徴を活かし、2016年からは雑巾がけの速さを競う「ザ!雑巾ダッシュ!!」が開催されるなど、新たな地域活性化の拠点として賑わいを見せています。また、伊勢本街道を歩く旅人の休憩所や、そば打ちなどの体験施設として、村内外の人々をつなぐ役割を果たしています。
かつての学び舎を、新たな交流の場として守り続ける運営主体の皆様に深く敬意を表します。卒業生や教職員の皆様、あの長い廊下を駆け抜けた日々や、木造校舎の温かさを懐かしく思い出されるのではないでしょうか。その思い出は、姿を変えた今もこの場所に息づいています。
(2026年1月執筆)
PHOTO: 廃校5000 様







