金田城址
- 建物・施設
金田城は、7世紀後半に対馬に築かれた古代山城です。白村江の戦いでの倭国軍の大敗を受け、唐・新羅の侵攻に備えて建設されました。当時の対馬は国防の最前線であり、金田城は重要な防衛拠点でした。城は浅茅湾に突き出た城山に築かれ、広大な城域を擁します。7世紀末頃に修築が行われましたが、8世紀初頭以降には廃城化が進んだと考えられています。
長い間その存在を忘れられていた金田城ですが、日露戦争前の緊迫した国際情勢の中で、金田城は再び軍事的に重要な位置づけを与えられました。約1300年前に防人たちによって築かれた古代山城が、近代の軍事施設として再び注目されたのです。日露戦争前夜に再び要塞として整備され、砲台が据え付けられました。
1300年前に防人が築いた古代山城と100年前に旧日本陸軍が建設した近代要塞。時代を超えた二つの国防施設が並存する特異な景観は、今なお当地の歴史を静かに伝承します。ご興味のある方は是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年10月執筆)
歴史ロマン溢れる景色は歴史愛好家を魅了します。
PHOTO:写真AC