日産自動車追浜工場 生産終了
- 建物・施設
日本のモータリゼーションの黎明期を支え、数々の名車を世に送り出してきた日産自動車追浜工場が、2027年度末をもって66年にわたる車両生産の歴史に幕を下ろすことが発表されました 。
1961年、国内初の本格的な乗用車専門工場として操業を開始した同工場は、戦後の日本社会において自動車が大衆に普及する「マイカーブーム」の原動力となりました 。最初に生産ラインを流れた「ダットサンブルーバード」や、それに続いた「サニー」は、多くの家庭にとって初めての愛車となり、人々の暮らしを豊かにしました 。1970年には国内で初めて溶接ロボットを導入するなど、常に生産技術の革新をリードし、その後の日本の製造業の発展に大きく貢献しました 。2010年には世界初の量産型電気自動車「リーフ」の生産を開始し、電動化時代の到来を告げる「マザー工場」としての役割も担いました 。累計生産台数は1780万台を超え、その一台一台がオーナーだけでなく、地域社会にとってもかけがえのない存在でした 。
長きにわたり日本の自動車産業を牽引してきたその功績に、心から敬意を表します。追浜工場が生み出した名車たちの記憶は、これからも私たちの心の中で走り続けることでしょう。
(2025年7月執筆)
PHOTO:PIXTA