【函館本線】二股駅 廃駅
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JR二股駅は、北海道山越郡長万部町に位置し、1903年に北海道鉄道の一般駅として開業しました。駅名は、長万部川と知来川の合流点である土地の特徴に由来し、地域の交通の要所として長年親しまれてきました。1907年には国有化され、国有鉄道の駅となり、1909年には函館本線の一部として再編されました。その後も地域の物流や人々の移動を支え続け、1975年には貨物取扱いが廃止、1984年には荷物取扱いも終了しています。1986年には無人化され、1987年には国鉄分割民営化によりJR北海道の管理下となりました。
駅周辺は山々に囲まれ、長万部川や二股ラヂウム温泉など自然資源にも恵まれており、地域住民や観光客の玄関口としての役割を果たしてきました。駅は単式ホーム1面1線の地上駅で、かつては列車交換設備も備えていましたが、現在は簡素な貨車駅舎が残されています。
しかし近年、利用者の減少が顕著となり、2024年の時点で一日平均利用者数が1人を下回る状況となりました。このためJR北海道は2025年に存続困難を長万部町に伝達し、町も廃止を受け入れる方針を決定しました。正式な廃止時期は2026年春以降と見込まれており、長年地域に根ざしてきた駅は静かにその役割を終えようとしています。
二股駅は、地域の暮らしや旅の思い出を紡いできた大切な存在です。長きにわたり駅を守り続けてきた運営者の皆様に深く敬意を表します。そして、かつてこの駅を利用したすべての方々に、思い出を振り返るきっかけとなれば幸いです。
(2025年6月執筆)
PHOTO:写真AC