徴古館
- 文化・教育施設
佐賀県佐賀市に佇む徴古館は、郷土の歴史と文化を今に伝える貴重な博物館です。その始まりは1926年にさかのぼります。当時の鍋島家当主、12代直映公が「郷土文化の源を探る」という思いを込めて建設を始めました。
翌年の1927年10月28日、西村謙三氏を初代館長に迎え、徴古館は華々しく開館しました。肥前地方に関する古文書や古器物を展示し、地域の歴史を紐解く場として親しまれていきました。1940年には、直映公の尽力により財団法人鍋島報效会が設立され、徴古館の運営を引き継ぎました。しかし、第二次世界大戦の影響で、1945年に展示業務を一時中断せざるを得なくなりました。
戦後、徴古館は様々な用途で活用されましたが、1997年に国の登録有形文化財として認められ、その価値が再確認されました。翌年には1階部分で展示を再開し、1999年には晴れて登録博物館となりました。
今日、徴古館は鍋島家ゆかりの歴史資料や美術工芸品を展示し、佐賀の豊かな歴史と文化を後世に伝える重要な役割を果たしています。
(2025年3月執筆)
PHOTO:PIXTA