蘭越町立港小学校 閉校
- 文化・教育施設
蘭越町立港小学校(北海道磯谷郡蘭越町港町623)が閉校となったのは、2008年(平成20年)3月末のことでした。当校の起源は、1881年(明治14年)に開かれた磯谷小学校尻別分校にまでさかのぼりますので、実に127年の長きにわたりこの地の子供たちを支え続けた学び舎でした。
当校は、明治期より尻別小学校の名で長く親しまれていましたが、町村合併で蘭越町となった1955年以降、字名変更により「港」の地名が使われるようになりました。また、当時は中学校が併設されていましたが、数年後に初田中学校に統合となり、以降、蘭越町立港小学校の名称が使われることになります。
蘭越町の町史によると、1966年(昭和41年)には、新しい校舎が建てられました。横に長い形状の1階建てで、トタンぶきの片流れ屋根が特徴です。校舎の中央には木製の校章プレートも取り付けられました。
2021年、閉校後の校庭の一角に、蘭越町港地区津波避難タワーが建てられました。鉄筋コンクリート2階建ての丈夫な建物で避難所や備蓄庫の機能を持ちつつ、日常的には地域の人々の集会などに使えるようになっています。当校が築かれた港の集落は、日本有数の清流、尻別川が日本海へと注ぐ河口付近にあります。美しい川と海に育まれた港町ですが、災害への備えを固められたことで、この地で暮らす人々の安心も増したことでしょう。
(2022年5月執筆)
かつては子供たちの賑やかな声が響いていたことでしょう。
地域の学び舎を守り抜いた先人達の強い想いを引き継ぎたいものです。
PHOTO:CRENTEAR様