ハンマーヘッドクレーン
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横浜港のハンマーヘッドクレーン(神奈川県横浜市中区新港2-14-1)は、日本初の荷役専用クレーンとして、1914年に新港ふ頭に設置整備されたものです。高さ30.7m、アーム長43.0m、旋回半径18.0m。金づちに似た形状から「ハンマーヘッド」の愛称で親しまれます。2001年までの88年間に渡り当地で活躍した大型港湾荷役機械です。
横浜港の貿易量の増大に対応するために、新港ふ頭に設置されたハンマーヘッドクレーン。貨物船の直接着岸により、クレーンを利用した効率的な積下作業が可能になりました。また、周辺一帯に壊滅的な被害をもたらした関東大震災の際にも倒壊することなくそびえたつ姿が、心身ともに傷ついた人々を勇気づけたことでも知られます。のちの戦後の震災復興の象徴ともなり、続く高度経済成長にも大きく寄与しました。
その歴史的な価値が認められており、経済産業省近代化産業遺産(2007年)、土木学会選奨土木遺産(2018年)に認定済です。横浜港新港ふ頭にも歴史ロマン溢れる経済産業遺産が存在します。是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2023年5月執筆)
PHOTO:PIXTA