火の山砲台
- 文化・教育施設
山口県下関市に位置する火の山砲台は、関門海峡を見下ろす火山の山頂に築かれた砲台です。狼煙場として古くから利用されていたこの場所は、明治時代、日本の国防を担う要塞として生まれ変わりました。
1888年、下関戦争の敗北を機に建設が始まった火の山砲台は、26門の大砲を備え、当時最新鋭の技術を駆使した要塞として完成しました。周防灘から関門海峡最狭部である早鞆瀬戸に侵入する敵艦を撃退し、下関市を守る重要な役割を担っていました。
しかし、時代は戦争の兵器を大型化させ、火の山砲台もその役目を終え、戦後は公園として整備されました。現在も山頂展望台や砲台跡、弾薬庫などの遺構が残っており、往時の姿を偲ぶことができます。火の山砲台は、明治時代の軍事技術や国防政策を知る上で貴重な史跡であるだけでなく、関門海峡の歴史を語る上で欠かせない存在です。海峡の守護者として活躍した火の山砲台は、訪れる人々に歴史の息吹を感じさせてくれます。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか?
(2024年3月執筆)
歴史を今に伝承する貴重な史跡です。
PHOTO:PIXTA