徳田発電所
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里川に灯った文明の光 ― 徳田発電所、建設の記録
茨城県常陸太田市徳田町、里川水系の最上流部に、1926年(大正15年)、東部電力株式会社によって徳田発電所が建設されました。地域の歴史資料によれば、里川水系の電源開発は1906年(明治39年)の茨城電気株式会社設立に始まり、1908年(明治41年)には水系初の中里発電所が竣工したとされ、徳田発電所から生まれた電力は日立鉱山の電化や水戸市街の路面電車「水浜電車」の動力源としても活用されたと伝えられています。約100年の歳月を経て、現在は東京電力グループの東京発電株式会社に引き継がれ、稼働を続けています。
木造トラスと石積みが伝える、大正の土木技術
本館は建築面積81平方メートル、桁行7間・梁間3間半という均整の取れた木造平屋建ての洋風局舎で、切妻造の屋根には瓦棒鉄板葺、外壁には下見板張が施され、内部には木造小屋組「キングポストトラス」が組まれています。本館から約2キロメートル上流にある取水所には、重力式コンクリート造の堰堤(堤長12メートル、堤高2.0メートル)が築かれ、排砂門と制水門を備えています。余水路(全長254メートル)は、コンクリート造の暗渠と谷積と呼ばれる石積みの開渠を連続させた構造を持ち、放水路(総延長34メートル)は里川へと水を導く開渠となっています。
4施設そろって登録有形文化財に
2004年(平成16年)11月8日、本館・取水所・余水路・放水路の4施設がそれぞれ個別に国の登録有形文化財として登録され、同月29日には文化庁による登録告示が行われました。これら大正15年建造の施設は、当時の姿をとどめたまま東京発電株式会社によって現在もメンテナンスが続けられています。
里川水系水力発電所群としての評価
2017年度(平成29年度)、公益社団法人土木学会選奨土木遺産委員会は、徳田発電所を含む里川水系の一連の発電インフラを「里川水系水力発電所群」として選奨土木遺産に認定しました。地域の歴史資料によれば、これは中里・里川・賀美・小里川・徳田の5基の現役水力発電所から成るとされ、1908年(明治41年)から1926年(大正15年)にかけて約20年をかけて順次建設されたものです。茨城県における早期の電源開発と、地域の工業近代化への貢献が評価されています。
(2026年8月執筆)

歴史を今に伝承する貴重な建物です。
PHOTO:PIXTA
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