記事鹿島海軍航空隊基地跡のイメージ画像

鹿島海軍航空隊基地跡

  • 建物・施設

茨城県美浦村、霞ヶ浦の穏やかな湖畔に、日本の航空史の激動を静かに物語る「旧鹿島海軍航空隊基地跡」があります。この地は1938年、水上機搭乗員を養成するための練習航空隊としてその歴史を歩み始めました。全国から集った若者たちが、ここで厳しい訓練に耐え、大空への夢を追い求めたのです。ここは彼らにとって、過酷ながらも忘れ得ぬ青春の地でした。太平洋戦争が始まると、搭乗員の育成という任務に加え、本土防衛や対潜哨戒という実戦の役割も担う重要な拠点となりました。しかし戦況が悪化した1945年5月、この基地の歴史に悲しい一章が刻まれます。ここで編成された「神風特別攻撃隊 第二魁隊」の若者たちが、沖縄の海へと飛び立っていったのです。

終戦後、基地は大学病院として約半世紀にわたり利用され、奇跡的に解体を免れました。病院が閉鎖されると一時は荒廃しましたが、その独特の景観が映像作品のロケ地として注目を集め、市民による保存活動へと繋がります。そして2023年、多くの人々の尽力により「大山湖畔公園」として再生を果たしました。

現存する庁舎や滑走台は、かつて国のために大空へ翔立った若者たちの息遣いを今に伝えています。この場所が静かに語りかける歴史に思いを馳せる時、私たちは平和の尊さを改めて心に刻むのです。彼らが過ごした日々とその役割に、心からの敬意を表します。

(2024年6月執筆)

 

在りし日の歴史を今につたえる貴重な場所と言えそうです。

PHOTO:PIXTA

 

『ゴジラ-1.0』は、戦後間もない日本を舞台に、敗戦で全てを失った元特攻隊員・敷島浩一が、突如現れた巨大怪獣ゴジラの脅威に立ち向かう物語です。焼け野原の中、国土はゼロどころか「マイナス」へと追い込まれ、人々は絶望の淵に立たされます。敷島は罪の意識と葛藤を抱えながらも仲間と共に抗い、人間の尊厳を懸けてゴジラに挑む姿が描かれます。

ゴジラ-1.0

映画『ゴジラ-1.0』では、この遺構の中にある自動車車庫が、戦闘機「震電」の格納庫シーンの撮影に使われ、実際にセットとして「震電」が置かれました。

 

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