Final 2010年3月31日 記事関川村立安角小学校 閉校のイメージ画像 History 137年

関川村立安角小学校 閉校

  • 文化・教育施設

新潟県岩船郡関川村安角にかつて存在した関川村立安角小学校。その歴史は1873年(明治6年)、近代教育の黎明期に、地域の精神的支柱であった安角龍門寺を仮校舎として開校したことに始まります。この地は、古くは出羽国へ通じる交通の要衝であり、鎌倉時代には幕府が関所を置いたほどの歴史を誇ります。

特筆すべきは、戦後日本の教育史におけるこの地の重要性です。村出身の教育者・佐藤仙一郎氏の働きかけにより、関川村は全国で唯一の六・三・三制新学制の実験校「関谷学園」の指定地となりました。このような教育への先進的な気風の中、安角小学校も独自の文化を育みました。伝統行事の立烏帽子登山や、県の児童生徒絵画版画コンクールで3年連続学校賞を受賞するなど、豊かな感性を育む教育が実践されていました。1977年には開学100周年と独立30周年を祝う式典も挙行されましたが、村の人口は昭和22年のピーク時から減少の一途をたどり、同校も2010年3月、在校生わずか16名で137年の歴史に幕を下ろしました。

しかし、その灯は消えませんでした。閉校を惜しむ地域住民の想いが実を結び、翌2011年から旧校舎のグラウンドで「七ヶ谷雪ほたる」が始まります。豪雪という地域の自然を逆手に取り、約千本の雪灯籠が幻想的な光を灯すこの祭りは、学び舎の記憶を未来へ語り継ぐ、地域コミュニティの新たな象徴となっています。ゆかりのある方は、この新たな光が灯る場所にもう一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

(2024年5月執筆)

PHOTO: 廃校5000  様

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