上越市立櫛池小学校 閉校
- 文化・教育施設
新潟県上越市清里区の山あい、美しい棚田が広がる地に、かつて櫛池小学校がありました。その歴史は、近代教育の幕開けとなった1874年頃に始まったとされます。以来、1世紀以上にわたり、地域の子供たちの成長を見守る学び舎として、また共同体の中心としてあり続けました。冬には3メートル近い雪が積もる豪雪地帯。子供たちはスキーに親しみ、棚田での稲作を手伝うなど、厳しいながらも豊かな自然環境そのものを教材として、たくましく育ちました。地区に落下した貴重な「櫛池隕石」が一時的に保管されたこともあり、学校は地域からの厚い信頼を集める文化の拠点でもありました。
しかし、少子高齢化の波を受け、2005年に菅原小学校と統合し、その長い歴史に幕を下ろしました。閉校後の校舎は現在「櫛池地域生涯学習センター」として活用され、世代を超えた交流の場となっています。
地域の教育を未来へ繋ぐため、先見性のある決断を下した運営主体に敬意を表します。卒業生や先生方にとって、学び舎での思い出は、今も心に刻まれたかけがえのない宝物として輝き続けていることでしょう。
(2024年5月執筆)
長年に渡り、地域の子供達をお守り頂きありがとうございます。
PHOTO: 廃校5000 様