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蔵春閣

  • 文化・教育施設

新発田市出身で近代日本を代表する実業家、大倉喜八郎。彼が1912年、東京・向島の隅田川沿いに建てた別邸が「蔵春閣」です。当時は歴代首相や渋沢栄一といった政財界の重鎮、海外からの賓客をもてなす迎賓館として、華やかな歴史の舞台となりました 。

建築は、今はなき皇居「明治宮殿」を模したとされ、伝統的な和風の外観に洋風の内装を融合させた和洋折衷様式の傑作です 。内部には鳳凰が舞う格天井や、都鳥と桜をあしらった大理石モザイクの床など、明治期における最高峰の技巧が随所に凝らされ、絢爛豪華な空間を創り出しています 。

その後、千葉県へ移築されるなど数奇な運命を辿りますが、2017年に喜八郎の故郷である新発田市へ寄贈が決定しました 。大成建設による大規模な移築工事を経て2023年、ついに東公園内で往時の姿を取り戻しました 。この歴史的価値が公に認められ、2024年3月には国の登録有形文化財(建造物)に登録されています 。現在は市の文化観光の拠点として、新たな歴史を刻んでいます 。

一世紀以上の時を経て故郷に還り、その輝きを未来へ繋ぐ運営管理主の皆様には深く敬意が表されます。喜八郎の夢と明治の記憶が宿るこの場所へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(2025年10月執筆)

PHOTO:写真AC

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