妙高村立原通小学校 閉校
- 文化・教育施設
新潟県妙高市、妙高山の麓に抱かれた岡新田地区。かつてこの地には、地域の子供たちを育んだ妙高村立原通小学校がありました。その歴史は、近代教育の幕開けである明治初期にまで遡ります。1872年の学制発布を受け、全国で小学校設立の機運が高まる中、原通小学校も1870年代半ばに産声を上げたとみられます。
以来、一世紀以上にわたり、雪深い地域の自然と共に歩む教育を実践し、数多くの卒業生を送り出してきました。冬にはスキーやかんじきを履いて野山を駆け、地域の文化や伝統を学ぶ、まさに「ふるさとの学び舎」でした。しかし、少子化という時代の大きな流れには抗えず、2005年3月末、近隣の小学校と統合され、その長い歴史に幕を下ろしました。
閉校から歳月が流れた今、校舎のあった場所は高齢者向け住宅と地域住民が集うコミュニティセンターへと姿を変え、新たな役割を担っています。子供たちの声は聞こえなくなりましたが、学校が育んだ人々の絆とコミュニティの精神は、形を変えてこの地に確かに息づいています。長きにわたり地域の教育と文化の礎を築いてこられた学校運営関係者の皆様のご尽力に、深く敬意を表します。この学び舎で過ごした日々は、卒業生や教職員の方々の心の中で、今も温かい光を放つ、かけがえのない思い出として輝き続けていることでしょう。
(2024年5月執筆)
懐かしい思い出をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
PHOTO: 廃校5000 様