竹瓦温泉
- 文化・教育施設
- 建物・施設
別府温泉のシンボル、竹瓦温泉は大分県別府市にある市営共同温泉です。その歴史は、別府が近代的な温泉都市へと発展を遂げる明治時代に始まります。
創設は1879年(明治12年)。当初の建物は竹で屋根を葺き、後に瓦葺きへ改築したことからその名が付きました。港の発展と共に賑わいを増し、地元住民や湯治客に愛される別府に不可欠な存在となっていきました。現在の建物は1938年(昭和13年)に建設されたものです。正面に構える豪華な唐破風造(からはふづくり)は、まるで寺社仏閣のような風格を漂わせ、温泉街のランドマークとなっています。館内には普通浴と名物の砂湯があり、今なお多くの市民や観光客に利用されています。
その建築と歴史的価値は高く評価され、2004年には国の登録有形文化財に、2009年には近代化産業遺産に認定されました。単なる浴場ではなく、別府の発展史を物語る生きた文化遺産として保護されています。
長きにわたりこの貴重な遺産を維持されてきた運営主の方々には、多大な敬意が表されます。歴史・温泉・旅行ファンならば、その荘厳な建築と湯に刻まれた物語を肌で感じるために、ぜひ一度足を運んでいただきたい場所です。
(2025年9月執筆)