旧佐野社宅 解体/取壊
- 建物・施設
旧佐野社宅(宮城県栗原市鶯沢南郷佐野)は1934年に建設された旧細倉鉱山従業員の社宅跡地です。2004年ごろまで人が住んでおり、調度品や当時の店舗などがそのまま残された木造家屋は、過ぎ去ってしまった昭和の時代を思い出させてくれます。近代化に貢献した細倉鉱山とその従業員様の営みの歴史を現在に伝える跡地として、近代化産業遺産にも指定されました。しかし東日本大震災により敷地内への立ち入りが禁止され、2013年12月には耐震性の関係から解体されてしまいました。
80年もの期間に渡り、当地の人々の生活の場であった佐野社宅。すでにその姿を見ることはできませんが、この場所にゆかりのある方はもう一度足を運んでみてはいかがでしょうか。地域の人々の美しい日々の営みを感じ取れるかもしれません。
(2020年6月執筆)
映画などの撮影にも利用されてきました。
2000年頃までは地域のすべての建物で人々が生活されていたそうです。
人々の息遣いが聞こえるような美しい街並みは人々の心に永遠に記憶されそうです。
PHOTO:PIXTA
映画『東京タワー~オカンとボクと、時々オトン~』は、リリー・フランキーの自伝的小説を原作とした2007年公開作品です。物語は、九州で生まれ育ち、東京でイラストレーターとして成功を目指す主人公「ボク」と、女手一つで彼を育てた「オカン」との絆を描きます。幼少期からの回想を交えながら、母親の献身や家族愛が繊細に紡がれます。東京タワーは物語の象徴として登場し、都会で夢を追う息子と故郷に残る母親との距離感を映し出します。
ロケ地の一つとして使用されました。この旧佐野社宅は、昭和初期に建設された炭鉱住宅で、映画の中で主人公と母親が暮らす家として登場します。