愛媛県立丹原高等学校 閉校
- 文化・教育施設
愛媛県立丹原高等学校は、1901年創立の周桑郡立農業補習学校を源流としています 。地域の農業振興と女子教育の要請に応え、1920年には周桑高等女学校が設立され、二つの流れは戦後の1949年に統合、「丹原高等学校」として新たな歩みを始めました 。普通科と園芸科学科を両輪に、地域に根差した教育を展開してきました。
特に農業クラブの活動は先進的で、栽培したブドウが国際基準のグローバルGAP認証を取得し、台湾へ輸出・販売研修を行うなど、特筆すべき実績を上げています 。部活動も盛んで、剣道部は全国大会の常連であり、2000年には野球部が創立100周年の年に初の甲子園出場、翌2001年には女子バスケットボール部が全国準優勝という輝かしい成果を収め、地域に大きな感動を与えました 。
しかし、少子化の影響を受け、県の高校再編計画により、2026年度から小松高校、東予高校と共に2つの新設校へと再編されることが決定し、その120年を超える歴史に幕を下ろすことになりました 。長きにわたり地域の教育と文化の振興を担ってこられた愛媛県の運営に、心から敬意を表します。この学び舎で過ごした日々は、多くの卒業生や先生方にとって、いつまでも色褪せることのない大切な思い出として心に刻まれていることでしょう。
(2025年6月改筆)