宇和島市立伊達博物館 取壊/移転
- 文化・教育施設
宇和島市立伊達博物館は、1974年、宇和島市制50周年を記念して御殿町に開館しました。江戸時代、仙台から入部した伊達家が宇和島藩を治め、「伊達十万石」と称された地域の歴史と文化を今に伝える拠点として、貴重な伝来品の展示や保存・調査を続けてきました。館内では、武具や書画、古文書など多様な資料を通じて、初代藩主伊達秀宗をはじめとする伊達家9代の歩みや、築城の名手藤堂高虎による宇和島城の歴史などを紹介しています。
開館から50年を経て、施設の老朽化や耐震性の課題が指摘されていましたが、各方面に及ぶ総合的勘案を経て、現宇和島市立伊達博物館の建物は新博物館の開館後に取り壊されることが正式に決定しています。2026年度には天赦公園内への新築移転が予定されています。新博物館は展示・収蔵機能を強化し、より多くの人々に宇和島の歴史文化を発信する場となる見込みです。
半世紀にわたり、多くの来館者が歴史に触れ、思い出を紡いできた伊達博物館。その運営に尽力されてきた宇和島市や関係者の皆様に深く敬意を表したいものです。
PHOTO:PIXTA
(2025年5月執筆)