愛媛県庁本館
- 建物・施設
愛媛県庁本館は、1929年に完成した鉄筋コンクリート造の庁舎です。設計は萬翠荘の建築で知られる木子七郎氏が手がけ、愛媛県産の資材を積極的に用いながら、当時の最先端技術を駆使して建設されました。建物は中央にドーム型の塔屋を設け、両翼を広げたH字型の構造が特徴です。石積みや擬石仕上げの外観が重厚な雰囲気を醸し出し、車寄せやアーチ状の窓枠など、細部にまでこだわった装飾が随所に見られます。内部には大理石の床やステンドグラス、格式あるシャンデリアなど、昭和初期の意匠が色濃く残されています。
竣工以来、現在も庁舎として利用されており、現存する都道府県庁舎の中では3番目に古い建物です。2021年には国の登録有形文化財に指定され、その歴史的価値が認められました。歴史と品格を今に伝える愛媛県庁本館。その重厚な佇まいを、ぜひ現地でご覧になってはいかがでしょうか。
PHOTO:写真AC
(2025年4月執筆)