古座川町立小川小学校 閉校
- 文化・教育施設
和歌山県の南部に位置する清流の町、古座川町。その北東部、小川地区の静かな山あいに、かつて古座川町立小川小学校(和歌山県東牟婁郡古座川町小川126)がありました。豊かな自然に抱かれたこの学び舎は、地域の子供たちを育む教育の拠点として、長きにわたり愛されてきました。
その歴史を紐解くと、明治期に発足した小川村の学び舎を起源とし、昭和31年(1956)の合併を経て古座川町立となりました。地域の中心として多くの子供たちを送り出してきましたが、山間部における過疎化の波は避けられず、学校の規模は徐々に縮小を余儀なくされます。昭和43年(1968)には宇筒井分校を、続いて昭和51年(1976)には田川小学校を統合し、近隣の子供たちを受け入れることで存続を図りました。
当校の最大の特色は、小規模校だからこそ実現できた、地域社会との「家族のような」結びつきでした。児童数が減少する中でも、学校行事は単なる教育活動の枠を超え、集落全体の祭事のような賑わいを見せていました。運動会では児童だけでなく、保護者や地域のお年寄りまでが参加し、校庭には世代を超えた歓声が響き渡ったといいます。子供たちは地域の宝として温かく見守られ、豊かな自然の中でのびのびと感性を育みました。しかし、少子化の流れには抗えず、平成2年(1990)時点で児童数は8名まで減少しました。そして平成3年(1991)、明神小学校への統合という形で休校となり、子供たちの声は校舎から消えました。その後、平成17年(2005)4月1日をもって正式に廃止となり、その歴史に幕を下ろしました。役目を終えた趣ある木造校舎は、その後も地域のゲートボール場として活用されるなど、形を変えて住民に寄り添い続けました。
長きにわたり地域教育の灯を守り続けた運営関係者の皆様に、心より敬意を表します。卒業生や教職員の皆様におかれましては、懐かしい木造校舎の温もりや、地域の方々と共に過ごしたかけがえのない日々を、今一度思い起こすきっかけとなれば幸いです。
(2024年9月執筆)

卒業生・先生・地域住民様など関係者様の心の中に、美しい思い出が永遠に記憶されますように。
PHOTO: 廃校5000 様







