新井市立水原小学校 閉校
- 文化・教育施設
新潟県妙高市（旧新井市）大濁。馬場川の水源域にあたる山間に位置し、地域住民から愛された「新井市立水原（みずはら）小学校」。その起源は古く、1876年に大濁校として開校したことに遡ります。
当校は、大濁・上小沢・坪山・小濁の4集落からなる旧水原村の教育の中心地でした。1947年には中学校も併設されましたが、1976年に中学校が先に閉校し、以降は小学校単独で地域の子供たちを育んできました。地名は「すいばら」ではなく「みずはら」と読み、豊かな水と自然に囲まれた環境の中で、子供たちは地域の風習や文化を肌で感じながら成長しました。
しかし、少子化の波と校舎・体育館の老朽化が進む中、学校再編の流れは避けられませんでした。創立130周年という大きな節目を迎えた2004年3月、長沢小学校とともに新井南小学校へと統合される形で、その長い歴史に幕を下ろしました。閉校時には、校庭に逆三角形の独特な形状をした記念碑が建立され、往時の威厳を今に伝えています。
閉校後も、校舎やグラウンドは地域の避難所や緊急用ヘリポートとして指定されるなど、形を変えて地域社会の安全を守る役割を担ってきました。学び舎としての役目を終えてなお、地域を見守り続ける存在であり、住民にとっての心の拠り所であり続けています。長きにわたり、厳しくも美しい自然の中で地域教育の灯を守り抜いた運営関係者の皆様に、深く敬意を表します。卒業生や教職員の皆様、あの校舎の窓から見えた景色や、友と駆け回った校庭の土の感触を、この機会に懐かしく振り返ってみてはいかがでしょうか。
（2025年5月執筆）
長年に渡り、地域の子供達をお守り頂きありがとうございます。
卒業生・先生・地域住民など関係者様の心の中に、美しい思い出が永遠に記憶されますように。
PHOTO: 廃校5000 様
