日南市立大窪小学校 閉校

  • 文化・教育施設

宮崎県日南市の山間、蜜柑の花香る丘に位置する大窪小学校(宮崎県日南市大窪3021-1)は、1873年の開校以来、152年もの歴史を地域と共に歩んできました。戦後の最盛期には200名以上の児童が在籍しましたが、1956年に現校名となって以降、時代の変化と共に児童数は減少し、現在は6年生2名のみが学びの灯をともしています。苔や野鳥など豊かな自然に恵まれた本校は、近年では小規模特認校として校区外からの通学も受け入れ、独自の教育を展開してきました。

特筆すべきは地域社会との深い絆です。児童たちは地元の伝統芸能「寺村憲踊り」を教員と共に継承し、特産である蜜柑の収穫やパークゴルフなどを通じて住民と密接に交流を重ねてきました。運動会は地域合同の祭りとして開催され、学校は常に集落の中心的な役割を果たしてきました。しかし、少子化の影響は避けられず、2026年3月をもって閉校することが決定しました。最後の運動会には卒業生や住民200名以上が駆けつけ、在校生2人の勇姿を温かく見守りました。2026年2月には閉校式が予定されており、現在、昭和期の写真収集など歴史を未来へ繋ぐ活動が行われています。

長きにわたり、子どもたちの成長と地域の拠点を守り続けてこられた運営・関係者の皆様に、心より敬意を表します。卒業生や教職員の皆様、この美しい山間の校舎で過ごしたかけがえのない日々を、今一度心の中で振り返ってみてはいかがでしょうか。その温かな記憶こそが、大窪小がここに在った確かな証です。

(2025年12月執筆)

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