セツ・モードセミナー 閉校
- 文化・教育施設
セツ・モードセミナー(東京都新宿区舟町15)は、1954年に芸術家の長沢節氏によって設立された美術学校です。あえて国の認可を取らず私学として運営されていました。もともと長沢氏の元に弟子入り志願の若者たちが押しかけていたため、帽子教室の一室を間借りする形で開校したのがはじまり。長沢氏の意向により自由教育が貫かれ、絵の描き方や色彩学、美術の歴史などの授業は一切ありません。生徒たちはひたすらデッサンを繰り返しディスカッションを重ね、お互いが影響し合って成長していったといいます。現代社会で活躍している多くのクリエイターを輩出した同校ですが、設立から63年を迎えた2017年、長沢氏の生誕100周年を区切りに惜しまれながら閉校してしまいました。長沢氏がデザインを手がけた独特の雰囲気の校舎はまだ新宿に現存しています。ゆかりのある方はぜひ足を運び、長沢氏の思い出を偲んでみてはいかがでしょうか。(2019年5月執筆)