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ハードロックカフェ東京 取壊か

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1983年7月初頭、国際文化が花開く六本木に、ハードロックカフェ東京が日本第1号店としてオープンしました。ロンドン、トロントに次ぐ世界で4番目の店舗という希少性も相まって、本物のアメリカンフードとロックミュージックを求める人々で瞬く間に賑わい、東京の新たなランドマークとなったのです。

当時の若者にとって、この場所は単なるレストランではありませんでした。壁一面に飾られたエリック・クラプトンやジミ・ヘンドリックスといった伝説的ミュージシャンの楽器や衣装などの「メモラビリア」は、まるでロックの博物館のようであり、憧れのアメリカ文化を肌で感じる特別な空間でした。その地位を不動のものとしたのが、数々の有名なエピソードです。特に1995年に開催されたザ・ローリング・ストーンズの深夜プライベートパーティーや、ボン・ジョヴィによるシークレットライブは、今なお伝説として語り継がれています。

2012年には大規模なリニューアルを敢行し、長年親しまれた外壁のゴリラのオブジェは撤去され、代わりに日本初となる常設プロジェクションマッピングが導入されるなど、時代と共にその姿を変えてきました。

しかし、この地での40年以上にわたる歴史は、まもなく幕を閉じます。店舗が位置する港区六本木5丁目が「六本木五丁目西地区市街地再開発事業」の対象区域に含まれており、2025年度から開始される工事に伴い、建物の取壊の可能性が高い状況です。音楽と文化を繋ぐ架け橋として、そして多くの人々の青春の1ページとして六本木の街を彩ってきたこの場所が姿を消すことは、一つの時代の終わりを告げるようで寂寥の念に堪えません。数えきれないほどの思い出が刻まれたこのロックの殿堂の運営に携わられる方々に心からの敬意が表されます。まだ開発まで少し時間がありそうです。是非お店に足を運び、おいしい料理やお酒とともに消えゆく景色を記憶してはいかがでしょうか。

(2025年9月執筆)

PHOTO:PIXTA

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