小川町立上野台中学校 閉校
- 文化・教育施設
埼玉県小川町にかつて存在した町立上野台中学校は、地域の歴史を映す象徴的な存在です。
1981年から開発が進んだ東小川住宅団地の発展に伴い、1992年に子どもたちのための新たな学び舎として開校しました 。高台に位置するモダンな校舎は地域の希望の象徴であり、それから19年間にわたり、多くの生徒が学び、育ち、地域コミュニティの中心として親しまれてきました。 しかし、時代の流れと共に進んだ少子高齢化の影響を受け、生徒数が減少。2011年3月、地域住民に惜しまれながら小川町立東中学校へと統合され、その歴史に幕を下ろしました 。
閉校から約10年の静寂を経て、校舎は新たな使命を帯びて生まれ変わります。2023年、官民連携による地域再生プロジェクトの中核施設「まちのキャンパス―UECHU―」として再出発しました 。かつての教室は企業のサテライトオフィスやコワーキングスペースとなり、新たなビジネスや交流を生み出す拠点となっています 。卒業生や地域住民にとっては思い出の場所が、今は町の未来を創造する希望の拠点として、新たな歴史を刻み始めています。
長きにわたり地域の教育を担い、多くの人々の成長を見守ってきたその運営に、心からの敬意を表します。学び舎で過ごした日々に思いを馳せるとともに、この場所から新たな一歩を踏み出す人々を、校舎は今も静かに見守っていることでしょう。
(2020年9月執筆)
当校での美しい時間は多くの関係者様の心の中に記憶されているはずです。
PHOTO: 廃校5000 様