Final 1980年3月31日 記事大滝村立大滝小学校 三峰分校 閉校のイメージ画像 History 107年

大滝村立大滝小学校 三峰分校 閉校

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近代建築家が手がけた、山深くの歴史ある学び舎

旧大滝村立大滝小学校三峰分校(埼玉県秩父市三峰214)は、1873年(明治6年)に公立三峯学校として開校し、山深い地域に暮らす子どもたちの貴重な学び舎として歴史を歩み始めました。奥秩父の広大な自然に抱かれた山間部という立地故に、後に廃校という悲しき末路を辿ることになりますが、1957年(昭和32年)8月に竣工した現在の木造平屋校舎は、近代建築家・関根要太郎氏らの設計と推測され、素朴でありながらもモダンなデザインの体育館を併設するなど、洗練された意匠が特徴となっています。


深い森に包まれた、往時の温もりと信仰の地

校庭には現在も、当時の低さを物語る朽ち果てた木製の朝礼台や、山間部の学校には珍しくジャングルジムがない代わりに設置された珍しい4人乗りの木製シーソーが残されています。校舎のすぐ前には、どこからか移動されたと思われる門柱が立ち、所々塗装が剥げながらも往時の面影を留めています。また分校が位置する三峰地区は神秘的な空気に包まれており、近隣には同じく関根氏(前述)が設計した「秩父宮殿下三峯山御登山記念館(昭和6年築)」や三峯神社など、地域の深い信仰と歴史を今に伝える場所が点在しています。


役割を終えた校舎に迫る、歴史の節目

その後分校は廃校となり、一時は「白岡町立三峰山の家」という宿泊施設に生まれ変わり、埼玉岳連の「岳人の家」として夏休みの親子キャンプなどで再び賑わいを見せましたが、2002年(平成14年)3月にその役割も終え、以降は空き家となっています。2026年(令和8年)1月に改訂された『秩父市個別施設計画』において、1956年(昭和31年)建築、延床面積296平方メートルの旧三峰分校校舎は、老朽化を理由に解体が検討される方針が示されました。なお、本校にあたる旧大滝小学校も2014年(平成26年)3月に141年の歴史に幕を閉じています。


記憶の中で生き続ける、山の上の学び舎への敬意

過酷な自然環境に耐えながら、幾世代もの子どもたちを温かく育み、地域の歴史を見守り続けてきた三峰分校の木造校舎。たとえ建物の姿が消えゆく運命にあろうとも、地元住民や教職員の手でまとめられた大滝小学校の閉校記念誌が現在も有償頒布されているように、この学び舎で培われた豊かな教育の精神と人々の確かな営みの記憶は、決して色褪せることはありません。かつて山間に響いた子どもたちの健やかな歌声と、地域を愛した関係者様の熱い想いが、これからも秩父の美しい山々と人々の心の中に深く留まり、未来へと語り継がれていくことが心より願われます。

(2021年9月執筆)

 

大滝小学校三峰分校

地域の学び舎を守り抜いた先人達の強い想いを引き継ぎたいものです。

 

大滝小学校三峰分校

現在でも地域住民を守る大切な場所であるようです。

 

大滝小学校三峰分校

当校の歴史と伝統は永遠に語り継がれることでしょう。

PHOTO: takahumikawasaki

VIDEO : 地球紀行 様

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