埼玉県立鳩山高等学校 閉校

  • 文化・教育施設

埼玉県立鳩山高等学校は、1983年に、普通科と商業科を設置する男女共学校として開校しました 。その後、商業科は情報管理科へと転換され、普通科と情報管理科を併置する体制となりました 。同校は、基礎・基本を大切にしつつ、生徒の実践力やコミュニケーション力を高める「実学」を重視した教育を展開してきました。特に情報管理科では資格取得に力を入れ、普通科でもビジネス教育を取り入れるなど、進学・就職の両面で生徒の希望進路実現を力強く支援し、近年では希望者全員の進路決定率100%という高い実績を達成しています 。

当校が築いた歴史の中で、地域との深い絆は特筆すべき特色です。部活動では目覚ましい活躍が見られ、スポーツ面での活躍が光りました。また、東日本大震災の復興支援をきっかけに、生徒会が「ハトミライ☆プロジェクト」を立ち上げました 。これは「30年後の鳩山町を桜の名所にしたい」という壮大な目標のもと、鳩山町の活性化や自然の有効利用を目的に、町と一体となって桜の植樹を継続した、当校ならではの地域協働の取り組みです 。生徒たちは、地元自治会等の行事への参加や勤労体験、地元小学生との交流など、多様なボランティア活動を通して、地域社会の文化や発展に大きく貢献してきました。

しかし、公立中学校卒業者数の減少に伴う県立高校の再編整備の方針に基づき、鳩山高校は大きな転換期を迎えます。適正な学校規模の維持が困難になったことを原因とし、2023年の入学者選抜をもって生徒募集を停止しました 。そして2026年4月1日、越生高校と統合し、現在の越生高校の場所に新校が開校する予定です 。新校の校名案は「埼玉県立越生翔桜(おごせしょうおう)高等学校」と発表され、「ハトミライ☆プロジェクト」で築かれた「桜」への想いが未来へ継承されることとなりました 。この統合決定に際し、鳩山町議会が白紙撤回を求める意見書を提出した事実は、鳩山町唯一の高校として、当校が地域にとって欠かせない教育拠点であったことを強く示しています 。独立校としての歴史の幕は降ろされますが、埼玉県立鳩山高等学校の関係者様の胸に刻まれる思い出は色あせることなく永遠に記憶されることでしょう。

(2025年11月執筆)

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