糸数城跡
- 文化・教育施設
糸数城跡は、沖縄本島南部の南城市玉城字糸数に位置する国指定史跡です。標高約180mの琉球石灰岩の丘上に築かれ、約4万9800平方メートルを超える広大な面積を誇ります。築城年代は明確ではありませんが、13~14世紀頃の三山時代初期に遡り、伝説によると、玉城按司が三男の糸数按司に命じて築かせたとされています。
糸数城の最大の特徴は、沖縄のグスクの中でも群を抜く城構え、城壁を持ちます。特に北側の城壁「ニシのアザナ」は南部で最も高く、混合城壁と呼ばれる独特の積み方が用いられています。城内には「チナウチ」と呼ばれる拝所があり、「糸数城之嶽」や「糸数城之殿」といった信仰の場所が残されています。また、城跡からは奥武島や島尻地方の大部分を望むことができ、戦略的にも重要な位置にありました。
沖縄本島南部にも歴史ロマン溢れる城跡が存在します。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年11月執筆)
PHOTO:写真AC