記事【豊見城市】瀬長島野球場 移転のイメージ画像

【豊見城市】瀬長島野球場 移転

  • 文化・教育施設

豊見城市の西岸、青い海に浮かぶ瀬長島。ここは琉球開闢(かいびゃく)の神アマミキヨの子が住んだとされる伝説の地であり、戦前までは半農半漁の集落が営まれていました。実は、現在の野球場がある北側の平野部こそが、かつて約30戸の人々が暮らしを営んでいた集落の跡地なのです。

1944年、沖縄戦に伴う住民退去と米軍による接収を経て、島は弾薬庫へと姿を変え、地形が変わるほどの大工事が行われました。1977年の返還後、地域の復興とともに1992年に整備されたのが「瀬長島野球場」です。県内唯一の4面グラウンドを有するこの施設は、学生の合宿から社会人の草野球まで幅広く利用され、野球を愛する人々にとっての「聖地」としての地位を確立しました。かつて人々の生活があった大地で、現代の若者たちが白球を追いかけ汗を流す姿は、平和な時代の新たな地域文化を象徴する光景でした。

しかし、近年のリゾート開発による観光客の増加に伴い、島内は慢性的な駐車場不足と交通渋滞という課題に直面しています。これを受け、豊見城市は野球場を移転し、その敷地を約850台収容可能な集約型駐車場として整備する方針を固めました。計画では、まず照明設備のない2面を駐車場へ転用し、残る2面も将来的には移転・閉鎖となる見通しです。代替地の選定については、2025年度中の決定が目指されています。

長きにわたり市民の健康と交流の場を支え、適切な管理運営に尽力された関係者の皆様に、深く敬意を表します。潮風を感じながらグラウンドを駆け抜けたあの熱い記憶を、利用者の皆様も今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

(2025年12月執筆)

思い出の詰まった景色に残された時間は長くはありません。

PHOTO:KENT

 

同じ都道府県の記事

同じカテゴリーの記事

ファイナルアクセス会社サイトはこちら

残り日数で探す

記事ランキング※24時間以内

Final Access Books

注目コンテンツ これが最後です

都道府県から探す