書写の里・美術工芸館 閉館/取壊
- 文化・教育施設
書写の里・美術工芸館は、1994年に開館しました。自然豊かな書写山の麓に位置し、宮脇檀氏の設計による建物は、書写山圓教寺をイメージさせる大屋根と瓦葺の外観が特徴です。開館以来、姫路・播磨の伝統工芸を紹介し、実演を行ってきました。館内には6つの展示室があり、郷土出身の元東大寺管長・清水公照の作品や愛蔵品を常設展示していました。また、工芸工房では姫路はりこや姫路こまなどの製作実演や、絵付け体験も行われていました。
開館30周年を迎えた2024年には、記念展示「開館30年のあゆみ 館蔵名品展」を開催。多数かつ多岐にわたる館蔵品から厳選した作品を展示し、30年の歴史を振り返りました。多くの人に愛される施設でしたが、経営難や施設の老朽化などの諸事情が総合的に勘案され、姫路市は2025年3月に美術工芸館の閉館を決定しました。
30年の歴史を刻んだ書写の里・美術工芸館。その魅力的な建築と貴重な展示品を確かめに、閉館前にぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。姫路の伝統工芸の息吹を感じられる貴重な機会となるでしょう。
(2025年3月執筆)
PHOTO:PIXTA