【土讃線】繁藤駅舎 建替か
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土讃線・繁藤駅は、高知県香美市土佐山田町繁藤に位置し、標高347mとJR四国で最も高い場所にある駅です。その歴史は1930年6月、土佐山田駅と角茂谷駅間の開業に伴い「天坪駅」として始まりました。
1963年には駅名が「繁藤駅」に改称され、地域の呼称と一致するようになりました。その後、1969年に配達業務を廃止、1970年には無人駅化され、簡易委託による乗車券発売が続けられましたが、2009年春にその販売も終了し、完全な無人駅となりました。1972年7月5日には、駅前の山が地すべり性崩壊を起こし、60名もの犠牲者を出す「繁藤災害」が発生し、駅と地域の歴史に深い爪痕を残したことでも知られます。
1987年の国鉄分割民営化により、JR四国の駅となり、以降も地域の交通を支え続けてくれる繁藤駅は、土讃線の普通列車が上下合わせて1日15本程度停車し、特急列車は通過しますが、行き違いのために運転停車することもあります。駅の利用者数は近年減少傾向にあり、2022年の1日平均乗降客数は10人と、静かな駅となっています。
駅舎は木造で、特徴的な三角屋根が印象的で、白色を基調にした清潔感のある駅舎です。長きに渡り活躍してきた地域の人々にとって大切な存在ですが、老朽化なども顕在化しているとのこと。そして管理者のJR四国様から現在の駅舎の撤去工事(2025年秋頃)のアナウンスがされているようです。見慣れた景色に終わりが近づいているのかもしれません。ご興味のある方は是非土讃線を利用して繁藤駅を訪問してみてはいかがでしょうか。
(2025年5月執筆)
見慣れた景色は永遠のものではありません。
PHOTO:PIXTA