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【美祢線】厚保駅 鉄道駅として廃駅

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山口県美祢市に位置する厚保駅は、1905年に開業しました。その当初の役割は、美祢地域で産出される石炭や、戦後はセメント原料となる石灰石を輸送する産業鉄道の拠点でした。日本の近代化と高度経済成長を、物流という側面から力強く支えてきたのです。

1962年に貨物輸送の役目を終え、やがて無人駅となりましたが、厚保駅は地域にとって特別な存在であり続けました。2013年、歴史ある駅舎は地元の方々の手によって「厚保地域交流ステーション」として再生されます。ここは単なる待合室ではなく、地域住民が主体となりイベントを開催し、世代を超えた交流を育む、まさに地域の核となる温かい場所でした。

しかし、2010年、そして2023年と度重なる豪雨災害が路線に甚大な被害をもたらしました。特に2023年の災害からの鉄道復旧は困難を極め、バス高速輸送システム(BRT)への転換が決定されました。これにより、1世紀以上にわたる鉄道駅としての歴史に幕が下ろされます。

長年にわたり駅舎を守り、地域に温かい灯をともし続けた運営者の皆様の多大なるご尽力に、心からの敬意を表します。

(2025年8月執筆)

当地の歴史が温かい文字で記されています。

 

多くの方々の思い出を詰め込んで、鉄道駅としての歴史の幕を下ろします。

PHOTO:PIXTA

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