Final 2025年6月21日 記事サロンカーなにわ 引退のイメージ画像 History 41年

サロンカーなにわ 引退

  • 乗り物

「サロンカーなにわ」は、1983年に国鉄が14系客車を改造して世に送り出した、日本における欧風ジョイフルトレインの草分け的存在です。団体旅行に新たな価値を提供するため、移動時間そのものを楽しむというコンセプトで開発されました。深緑色の車体に金色の帯をあしらった格調高い外観と、展望室や豪華なリクライニングシートを備えた内装は、多くの人々を魅了しました。

1983年9月に営業運転を開始し、1987年の国鉄分割民営化後はJR西日本に継承されました。以降、団体臨時列車や特別な観光列車として西日本各地を走り、天皇皇后両陛下がご乗車になるお召し列車として複数回運用された輝かしい実績も持っています。その希少性から、運行のたびに全国から多くのファンが駆けつけ、憧れの的であり続けました。

1994年と2011年には内外装の更新工事が行われ、時代に合わせて姿を変えながら活躍を続けました。しかし、ベースとなった車両の製造から半世紀以上が経過し、老朽化は避けられませんでした。旅行スタイルの変化も相まって、2025年6月21日の「サロンカー晴れの国おかやま号」をもって、約42年間の営業運転に幕を下ろしました。

長年にわたり多くの人々に特別な旅を提供してきた「サロンカーなにわ」の運行と維持に尽力されたJR西日本の皆様に、深い敬意を表します。この列車と共に過ごした輝かしい思い出は、多くの鉄道ファンや利用者の心の中に、これからも走り続けることでしょう。

(2025年6月執筆)

PHOTO:PIXTA

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