【地域福祉センター】荒川温泉 閉館
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長崎県五島市玉之浦町に所在する「地域福祉センター荒川温泉」は、2026年3月末をもって閉館することが公表されました。 荒川温泉の歴史は古く、温泉自体は1913年に発見された天然温泉です 。かつては老舗の宿泊施設「豆谷旅館」が地域で営業していましたが、2009年に廃業となり 、地域資源の存続が課題となりました。 この状況を受け、2010年に五島市社会福祉協議会が土地と建物を取得し 、改修を経て2011年に公衆浴場として開設されました。本施設は、五島市民の健康増進、教養の向上、レクリェーションの便宜を図るという福祉的な目的を持って運営されていました。
荒川温泉は、低料金の天然温泉を提供する公衆浴場としてだけでなく、デイサービスや社協の支所の機能も担う多機能な地域福祉・交流拠点として、長年にわたり住民に寄り添ってきました 。特に、過疎が進む離島の高齢者にとって、ここは「心の拠り所」として深く親しまれてきた存在です。2023年度の利用実績を見ても、年間で延べ約2万7千名が利用していたと報じられており、地域にとって不可欠な施設であったことがわかります。閉館の主な要因は、老朽化による巨額な修繕費の必要性、温泉事業の累積赤字、そして職員不足という、複数の要因が重なったことによるもののようです。こ
社会福祉協議会は、2026年3月末の引退に向けて、各種準備を進める方針であり、今後の跡地活用について地域の要望を踏まえて協議を続けるとしています。 長きにわたり地域福祉を支えてこられた社会福祉協議会の皆様の献身的な運営に、心より敬意を表します。荒川温泉をご愛用されたファンの皆様、まだ少し時間がありそうです。湯船で交わした会話や、足湯での穏やかなひとときなど、かけがえのない思い出を今一度、心の中で温め直してみてはいかがでしょうか。
(2025年11月執筆)
PHOTO:PIXTA







