スーパープラネット 引退
- 娯楽施設
横浜みなとみらいの風景の一部として親しまれてきたアトラクション「スーパープラネット」が、2025年9月28日、36年間の長い歴史に幕を下ろしました。赤いゴンドラが力強く回転する姿は、多くの人々の記憶に深く刻まれています。
その歴史は、1989年に開催された「横浜博覧会」まで遡ります 。博覧会の人気パビリオンの一つとして誕生し、翌年開園した「よこはまコスモワールド」の初期メンバーとして、みなとみらい地区の発展を静かに見守り続けてきました 。円盤に取り付けられたゴンドラが、速度と角度を上げながら垂直近くまで回転する様は、強烈な引力と無重力のような感覚を生み出し、絶叫マシンファンを唸らせる「アナログなスリル」を提供してきました 。
スーパープラネットは単なる絶叫マシンではなく、訪れる人々にとって特別な「記憶の触媒」でした。引退が発表されると、SNSには「初デートの思い出の場所」といった個人の大切な記憶と結びついたコメントが溢れ、多くの人に愛されていたことがうかがえます 。 しかし、36年の長きにわたる活躍は、老朽化という現実をもたらしました 。引退に際し、2025年9月1日から最終日までファイナルイベントが開催され、記念ステッカーの配布やフォトスポットの設置など、ファンが最後の思い出を作れるよう温かい配慮がなされました 。
長年にわたり安全な運行を続け、数えきれない笑顔と感動を届けてくださった運営関係者の皆様に、心からの敬意を表します。スーパープラネットの姿はもう見られませんが、スリルと興奮を分かち合った温かい記憶は、私たちの心の中で永遠に回り続けることでしょう。
(2025年10月執筆)
PHOTO:PIXTA