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中央公園ファミリープール 解体

  • 娯楽施設

広島市の中心部で長年親しまれてきた「中央公園ファミリープール」が、2026年の営業を最後にその歴史に幕を下ろします。このプールが位置する土地は、かつて旧陸軍の輸送部隊「輜重兵補充隊」が駐屯し、戦時中は約千人が配属されていました 。原爆投下により壊滅的な被害を受けた後、戦後の復興期を経て市民の憩いの場へと生まれ変わった深い歴史を持ちます 。

プールは、国民の生活の重点が「食」から「レジャー・余暇」へと移り始めた時代の潮流に乗り、1979年7月1日に開園しました 。開業初年度には約30万人が訪れるなど大きな注目を集め、流れるプールやこどもプール、多目的プールは、その後も親子三世代にわたる多くの広島市民にとって夏の原風景として記憶に刻まれてきました 。アクセスの良い都心で気軽に楽しめるレジャー施設として、人気を博しました。しかし、開業から半世紀近くが経過し、施設の老朽化が深刻な課題となっていました 。加えて、隣接地に新サッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」が開業するなど、周辺エリアの再開発が進む中で、夏季の約2か月間しか利用されないという土地利用の効率性も見直しの対象となりました 。跡地は、市民の意見も踏まえながら、年間を通じて子供たちが遊び学べる新たな複合施設へと生まれ変わる計画が進められています 。

約半世紀にわたり、市民に夏の楽しいひとときと安全な遊び場を提供し続けた運営者様に、深い敬意を表します。水面のきらめきとそこに響いた子供たちの歓声は、多くの人々の心の中で、かけがえのない思い出として生き続けることでしょう。

(2025年7月執筆)

PHOTO:PIXTA

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