Final 2026年8月31日 記事中央公園ファミリープール 営業終了のイメージ画像 History 48年

中央公園ファミリープール 営業終了

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軍都の跡地に開いた夏の扉 ― 広島ファミリープール、開園の記録

広島市中区基町の一帯には、戦前から戦中にかけて旧日本陸軍の「中国軍管区輜重兵補充隊」の兵舎群が置かれていました。原爆投下により、この施設は壊滅的な被害を受けました。戦後の都市復興のなかで跡地の約半分は破壊・転用され、残る一帯は中央公園として整備されます。現在、サッカースタジアムのすぐ隣にある広場「広高の森」には、輜重兵補充隊の施設跡から見つかった厩の敷石通路やアスファルト、馬繋杭を設けた手入場の一部が展示されており、かつて軍馬が中心的な役割を果たしていた「軍都・広島」の歴史を今に伝えています。1979年(昭和54年)、この地に「中央公園ファミリープール」が開園しました。園内には流れるプールなど複数のプールが設けられ、公益財団法人広島市みどり生きもの協会が管理・運営にあたりました。


昭和・平成・令和、三世代が通ったプール

夏の定番スポットとして親しまれ、開園当初に親に連れてこられた子どもが、やがて親となり、さらに祖父母として孫を連れて訪れます。世代をまたいだ利用がされる地域密着型の施設ですが、開園から年数が経過し、設備の老朽化が進んだこと、また夏の2か月間しか稼働しない土地利用の非効率性が課題となりました。2020年(令和2年)3月、広島市は「中央公園の今後の活用に係る基本方針」を策定し、プール周辺を「こどもゾーン」と位置づけます。2025年(令和7年)3月には「ファミリープールエリア再整備基本構想」が正式に策定され、夏季限定の屋外プールから、屋内遊戯施設などを備えた四季を通じて利用できる複合施設への転換が定められました。2026年(令和8年)8月31日をもって現行のプールは営業を終え、2032年度(令和14年度)の新施設開業を目指した整備が進められます。


雨に濡れた開幕から、最後の夏を惜しむ人々へ

2026年(令和8年)7月1日、48年目にして最後の年となるプールは、朝から降り続く雨の中、静かに幕を開けました。この日の利用者はわずか15人でしたが、これから始まる最後の2か月間に多くの人が期待を寄せました。夏休みが始まった後には、マスコットキャラクターの特製シールが配布され、「メッセージウォール」には家族連れの手書きの言葉が数多く書き込まれていきました。48年間、世代を超えて愛されたこの場所との最後の思い出作りが、静かに積み重ねられているそうです。

(2026年8月執筆)

PHOTO:写真AC

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