白糠町立縫別小中学校 閉校
- 文化・教育施設
白糠町立縫別小中学校(北海道白糠郡白糠町茶路基線191-2)がその歴史に幕を下ろしたのは1991年3月末のことです。かつて炭鉱と林業でにぎわった集落で子供たちが通った学び舎は、産業が衰退するにつれて児童数も減少していきました。そして、茶路小中学校へ統合されることになり、静かに歴史の幕を閉じました。
当校が築かれた縫別の集落は、豊かな山と清らかな川に囲まれた場所です。道東自動車道の白糠インターチェンジから国道をそれて木々の間を進めば、道沿いにどっしりとした自然石の閉校記念碑が佇んでいるのを見つけられるでしょう。これは学び舎のすぐ裏を流れる縫別川の石で、巣立っていった子供たちが幼いころによく遊んでいたふるさとの思い出を形に残したのだそうです。記念碑の奥に見える学び舎の建物は白壁と赤い屋根が印象的ですが、夏には緑萌える背後の森の木々や周囲の草地と相まって、映画の中に入り込んだかのような懐かしさを感じる風景を見せてくれます。
閉校後の学び舎は「縫別自然の家」という体験・研修施設として新しい役目を果たしています。子供たちが自然に親しんだり、研修やスポーツの合宿所として利用されるなど、地域の外からも人を惹きつける場所となっています。ご興味のある方はこの場所に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2021年12月執筆)
北海道の地に佇む美しい学び舎です。
かつては子供たちの賑やかな声が響いていたことでしょう。
地域の学び舎を守り抜いた先人達の強い想いを忘れずに引き継ぎたいものです。
PHOTO:poteto089aaa様