山田堰
- 文化・教育施設
山田堰は福岡県朝倉市に位置し、江戸時代に設けられた石堰です。干ばつに苦しむ農民たちの生活改善、筑後川右岸の耕地の水田化のために作られました。現在の形になったのは1790年で、その後も大洪水に見舞われつつ、当時の形を保っています。水門・導水・砂利吐き・中舟通し・南舟通しなどが石張りで構成され、山田堰から取水された水は当地の約652haの農地を潤します。
その歴史的価値は認められており、「世界かんがい施設遺産」に登録されています。また、2019年に亡くなった中村哲医師が山田堰をモデルにアフガニスタンに取水堰を築いたことも知られます。実際に当地では、1万6500haの荒野が農地に変貌しています。山田堰そばの山田堰展望広場には、中村哲医師の肖像画と言葉が刻まれた記念碑がたたずみます。
ご興味のある方は一度現地を訪問してみてはいかがでしょうか。福岡県朝倉市に歴史ロマン溢れる土木遺産が現在も輝きを放ちます。
その美しい姿は多くの人を魅了します
(2023年12月執筆)
PHOTO:PIXTA
高潔の医師「中村哲」氏。氏の理念の源にもなった山田堰。
この機に中村医師の志に触れてみてはいかがでしょうか?