金山橋
- 建物・施設
金山橋は、鹿児島県姶良市加治木町小山田に位置する歴史的な石橋です。この橋は、山ヶ野金山の近代化事業の一環として建設されました。
幕末期、島津家はフランス人技師コワニエを雇い、山ヶ野金山の近代化に着手しました。1878年には、オジェが雇われ、近代化事業を継続しました。この事業には鹿児島県の年間予算に匹敵する20万円が投じられ、その一環として山ヶ野から加治木港までの馬車道が整備されました。金山橋は、この馬車道整備に伴い、網掛川に架けられました。1880年頃に建設されたとされ、凝灰岩で造られた美しいアーチ形の石橋です。橋の長さは22.6m、幅は4.2m、川からの高さは約10mあります。
現在、金山橋は姶良市指定史跡となっており、橋本体はほぼ当時の状態で残されています。2011年には欄干や路面の改修が行われましたが、橋の歴史的価値は保たれています。近くには当時の馬車道とみられる旧道や、水神碑、龍門滝なども残されており、歴史の息吹を感じることができます。金山橋は、鹿児島県の産業遺産として重要な意味を持つ建造物です。ぜひ現地を訪れ、美しいアーチと周辺の自然景観を楽しみながら、鹿児島の近代化の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(2025年2月執筆)
PHOTO:写真AC