山縣有朋記念館
- 文化・教育施設
山縣有朋記念館は、日本の近代化に大きな影響を与えた政治家・山縣有朋の別荘として、1909年に小田原の古稀庵内に建設されました。著名建築家の伊東忠太氏が設計したこの木造洋館は、山縣が元老や首相たちと国事を論じる場となりました。
1923年の関東大震災で被災した建物は、山縣の長男・伊三郎によって栃木県矢板市の山縣農場内に移築され、現在に至ります。洋風建築の特徴を色濃く残す記念館には、山縣のイニシャルをあしらった装飾や、後の時代に影響を与えた独特の窓のデザインが見られます。高原山の麓に佇む記念館では、山縣有朋の遺品や資料を通じて、日本の近代化の歩みを垣間見ることができます。1990年に栃木県の有形文化財に指定された本館は、明治期の洋風建築を今に伝える貴重な文化遺産です。
歴史的価値と建築美を兼ね備えた山縣有朋記念館。豊かな自然に囲まれたこの場所で、明治の元勲の足跡に触れ、日本の近代化の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。
(2025年3月執筆)
PHOTO:PIXTA