【広島高速交通】6000系 引退
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広島高速交通6000系は、広島市の新交通システム「アストラムライン」の開業に合わせて1994年に導入された案内軌条式電車です。この車両は、1970年代以降に進んだ広島市北西部の宅地開発による交通渋滞を解消するために設計されました。製造は新潟鐵工所、川崎重工業、三菱重工業が担当し、山吹色を基調とした先進的なデザインが特徴です。
6000系は全電動車方式の6両編成で、快適性と安全性を追求した設計が施されました。車内は明るく開放的な空間を目指し、ロングシートや車椅子スペースを備えています。また、地下区間も含む路線特性に対応する火災対策や耐久性の高い塗料も採用されました。1995年にはグッドデザイン賞金賞を受賞し、輸送力とデザイン面で高い評価を得ました。しかし、老朽化と新型車両への置き換えが進み、2025年5月に営業運転を終了する予定です。最終編成はラッピング車両として運行され、多くの人々に惜しまれながら引退します。
30年間広島の街を支えた6000系。その歴史を振り返りながら、ぜひ最後の旅路に乗車してみてはいかがでしょうか。
(2025年3月執筆)
PHOTO:PIXTA