福本渡船 廃業
- 乗り物
福本渡船の創業は1889年で尾道水道の渡船では古い歴史を持ちます。尾道と向島を結ぶ生活航路として開設されました。当初は手漕ぎ船で運営され、四軒島の地名にちなんで「明神渡し」と呼ばれていました。
利用者に寄り添った経営姿勢を有し、他社の値上げをよそに低価格運賃を貫いた歴史もよく知られます。地元では「1円ポッポ」の愛称で親しまれる存在で、地域の重要な交通手段として発展しました。
長い歴史を誇る福本渡船には多くのファンが存在し、大林宣彦監督の映画「ふたり」「さびしんぼう」をはじめ、「龍が如く6 命の詩」にも尾道仁涯町の“仁涯渡船場”として描かれています。ファンの間では聖地とされる大切な存在とのことです。
多くの人に愛される福本渡船ですが、施設・設備の老朽化などにより、2025年3月31日をもって115年の歴史に幕を下ろす予定です。尾道の交通史に大きな足跡を残してくれた福本渡船。ファイナルまでまだ少し時間がありそうです。是非一度乗船されてはいかがでしょうか?歴史ロマン溢れる船旅はきっとあなたの大切な記憶となるはずです。
(2024年10月執筆)
多くの人々の思い出を詰め込んでその歴史の幕を下ろします。
PHOTO:PIXTA
「転校生」「時をかける少女」に続く大林監督の「尾道三部作」の第3作です。
さびしんぼう