白雲館
- 文化・教育施設
滋賀県近江八幡市、日牟禮八幡宮の鳥居前に佇む「白雲館」は、明治10年(1877年)に「八幡東学校」として産声を上げました。建築費6千円の大部分は、次代の教育発展を願う近江商人たちの寄付によるものです。地元の大工・高木作右衛門が手掛けた建物は、西洋建築を模倣しつつ日本の伝統技法を融合させた「擬洋風建築」の傑作であり、白漆喰の壁や唐破風、太鼓楼は文明開化の息吹を今に伝えています。
その後、役場や郡役所、信用組合など時代とともに役割を変え、一時は民間の所有となりました。しかし平成4年に市へ移管されると、平成6年の解体修理を経て創建時の姿へ蘇り、平成10年には国の登録有形文化財となりました。現在は観光案内所や市民ギャラリーとして活用され、来訪者と地域をつなぐ「おもてなしの拠点」として親しまれています。
明治から令和へ、幾多の変遷を経て今も優美な姿で私たちを迎える白雲館。長きにわたりこの建物を守り、温かく運営を続けてこられた関係者の皆様に深く敬意を表します。かつてここを訪れた皆様も、白亜の洋館で過ごしたひとときや、そこから始まった旅の情景を、今一度懐かしく振り返ってみてはいかがでしょうか。
(2026年1月執筆)
PHOTO:写真AC







