鮮魚列車 運行終了
- 乗り物
近畿日本鉄道が運用する魚介類行商人のための団体専用列車、通称「鮮魚列車」が2020年3月をもってその歴史の幕を下ろします。
1963年9月に魚介類行商人のための団体専用列車が運行され始めました。これが「鮮魚列車」の歴史の始まりです。伊勢エビやアワビなど伊勢・志摩の新鮮な魚介類を一大市場の大阪近辺に向けて輸送するためのものでした。車内乗客は漁業関係者が中心。魚介類が入った箱などが所狭しと積まれます。車内や座席を汚さないような配慮もされていたようです。
最盛期には200名を超える利用があったようですが、近年は魚介類行商人の数も減少し,車での輸送手法の発達に伴い利用者が減少していました。そしてついに2020年3月14日のダイヤ変更で運行を終了します。今後は「伊勢志摩お魚図鑑」という専用ラッピング車両の形態で鮮魚専用車両の歴史はかろうじて繋がりそうです。
先頭車両に掲げられた「鮮魚」のプレートはとてもチャーミング。漁業関係者だけでなく鉄道ファンにも愛された電車です。近畿地域の魚類の物流を支えてくれた「鮮魚列車」。美しく見事な歴史を残してくれました。まだ少しだけ時間があるようです。「鮮魚列車」のプレートを掲げた、赤く美しい電車。最後の雄姿を心に焼き付けるため現地に足を運んではいかがでしょうか?
(2020年2月執筆)
紀伊半島の山間を走る車両です。
長きに渡り本当にお疲れ様でした。
PHOTO:PIXTA
SankeiNews 様より素晴らしい動画が公開されております。永久保存版の映像になるのではないでしょうか。
VIDEO: SankeiNews 様