【JR東海】311系電車 引退
- 乗り物
JR東海311系電車は、1989年7月、金山総合駅の開業と東海道本線のサービス向上という大きな期待を背負い、颯爽とデビューしました 。JR東海が発足して初めて独自に設計・開発したこの近郊形車両は、最高速度120km/hの俊足と、快適な転換クロスシートを備え 、たちまち名古屋都市圏の「新快速」の主力として活躍し、多くの通勤・通学客に親しまれました 。
1990年には新快速の全列車が311系で運行されるようになり 、従来の113系や117系といった車両から置き換わることで、名古屋地区の鉄道サービスの質的向上に大きく貢献しました 。その後、後継の313系が登場すると、311系は新快速の第一線からは徐々に退きましたが、普通列車や快速列車、さらには武豊線でもその姿を見せるなど 、長きにわたり名古屋の足として走り続けました。
しかし、車両の老朽化と新型315系への置き換えのため、311系は2025年6月末をもって定期運行を終了することが発表されました 。その功績を称え、引退を惜しむ声に応えるべく、JR東海は「ありがとう311系」企画を2025年5月30日以降順次展開予定とのこと 。G1編成とG11編成には、特別なヘッドマークが掲出され、かつてのJRロゴの復刻、四季折々の風景を走る311系の写真の車内掲載などが予定されているそうです。
36年間にわたり名古屋近郊の輸送を支え、地域の発展に貢献してきた311系の勇退にあたり、その運行を担ってこられたJR東海、並びに関係者の皆様に心からの敬意を表します。そして、多くの利用者やファンの皆様には、この機会に311系と過ごしたかけがえのない日々に思いを馳せていただければ幸いです。
(2025年6月執筆)
PHOTO:PIXTA